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遺留分の放棄

2020.02.08
  • コラム
タグ: 法定相続人, 相続, 相続・事業継承特化株式会社, 遺産, 遺留分, 遺言

前々回(遺留分とは?)と前回(遺留分が認められる人・認められない人)のコラムに引き続いて、今回も遺留分についてみていくことにします。
今回のコラムでは、遺留分の放棄について詳しくお話をします。

相続を放棄することができるように、遺留分についても放棄をすることができます。

相続の放棄は、被相続人の残した財産よりも借金の方が多い場合などに行われます。
例えば、被相続人の残した財産が預貯金2千万、銀行からの借入金3千万である場合には、相続すると預貯金も借入金も両方とも被相続人から引き継がなければならないことから、正味1千万のマイナスになってしまいます。
このような場合に相続の放棄をすれば、預貯金を引き継ぐことはできないけれども借入金も引き継ぐ必要はないので、正味でマイナスを抱え込まなくてもよくなるわけです。

では、遺留分の放棄はどのような場合に行われるのでしょうか。

「遺留分は、兄弟姉妹以外の法定相続人(被相続人の配偶者や子や親など)が、遺言の内容にかかわらず一定の範囲の遺産を取得することができる権利なので、その権利をわざわざ放棄する人などあり得ないのではないか」と思われた方も多いと思います。

しかし、次のようなケースに皆さんが遭遇したとすれば、皆さんはどういう手をうつでしょうか。

Aは会社Bを経営しており、会社Bの株式の70%を保有しています。
会社Bの残りの株式は、会社Bの役員3人が10%ずつ保有しています。
この役員3人はAの親族ではありません。Aには長男C、次男D、長女Eの3人の子供がいますが、会社Bの後継者は長男Cと決めています。
5~10年先に会社Bの経営を長男Cに譲ろうと考えていますが、それまでにA自身にもしものことがあった場合を考えて、Aは遺言を書くことにしました。
Aの財産は、B社株式1億8千万、預金6千万です。
長男Cが会社を安定して運営していくためには、B社株式の全てを長男Cに遺贈する必要があります(長男Cが会社Bの議決権の2/3超を確保するのが望ましいから)。
しかし、「B社株式の全てを長男Cにやる」と遺言したとしても、遺留分が1億2千万(総遺産額2億4千万の1/2)あることから次男Dと長女Eはそれぞれ遺留分の1/3である4千万を受取る権利があることから、次男Dと長女Eが遺留分を主張すれば、Aが保有するB社株式の全てを長男Cが取得することができません。
さて、皆さん自身がAの立場ならどうしますか。

一つの解決策が、次男Dと長女Eに遺留分の放棄をしてもらうことです。

「B社株式の全てを長男Cに、預金3千万を次男Dに、預金3千万を長女Eにやる」という遺言を残したうえで、Aの生前に次男Dと長女Eに遺留分の放棄をしてもらう。
B社株式は評価額こそ1億8千万ですが、会社Bを経営していく限りは現金化できるものではないため、次男Dと長女Eが会社Bの経営に強い関心がない場合には、預金3千万を遺産としてもらうことで遺留分の放棄をすることに同意する可能性があります。
Aは、3人の子供たちに遺産の分配の合意を取り付け、遺言と遺留分の放棄の手続きを取ることで、自分の目の黒いうちに遺産の分配を確定させることができるというわけです。


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遺留分が認められる人・認められない人

2020.02.01
  • コラム
タグ: 代襲相続人, 兄弟姉妹, 推定相続人, 法定相続人, 直系卑属, 直系尊属, 相続・事業継承特化株式会社, 相続放棄, 相続権, 相続欠格者, 被相続人, 遺留分, 配偶者

前回のコラム「遺留分とは何か」に引き続き、遺留分についてみていくことにします。

前回は、遺留分についての概要、遺留分が認められる財産の割合について例を交えてお話しました。
今回のコラムでは、遺留分が認められる人、遺留分が認められない人、について詳しくお話することとします。

1. 遺留分が認められる人

遺留分が認められるのは、兄弟姉妹以外の法定相続人です。
法定相続人である被相続人の配偶者、直系卑属、直系尊属には遺留分が認められますが、法定相続人であっても被相続人の兄弟姉妹には認められません。

 

それでは具体例で確認しておきましょう。

被相続人には、配偶者A、子B、子C(死亡)が残した孫D、子Bを親に持つ孫E、Cの配偶者F、兄Gがいます。

このうち遺留分が認められるのは誰でしょうか。

 

この場合の法定相続人は、配偶者A、子B、孫D(子Cが死亡しているため、DはCの代襲相続人であり法定相続人となる)となるので、法定相続人ではない孫E、Cの配偶者F、兄Gにはもちろん遺留分はありません。
法定相続人である配偶者A、子Bには遺留分が認められます。また、孫Dも兄弟姉妹以外の法定相続人(直系卑属)ですから、遺留分は認められます。
代襲相続人にも遺留分が認められると覚えておいてください。

2. 遺留分が認められない人

兄弟姉妹の法定相続人であっても、遺留分が認められないことがあります。以下のケースです。

 

①   相続放棄をした人

兄弟姉妹以外の法定相続人であっても、その人が相続放棄をした場合には遺留分は認められません。
相続放棄をしたら、その放棄した人は最初から相続人でなかったことになるので、当然に遺留分は認められません。
また、初めから相続人でなかったことになるので、孫が代襲相続することはないため孫にも当然遺留分は認められません。
なお、相続放棄をした人とは、家庭裁判所において相続放棄の申述をした人のことであり、単に念書で「相続しません」などと書いた人のことではありません。

 

②   相続欠格者

相続欠格者とは、次の事由により相続権を失った人のことです。

・相続人が被相続人や同順位以上の相続人を殺害して有罪となった

・相続人が、被相続人の殺害を知っても刑事告訴しなかった

・相続人が被相続人に無理矢理遺言を書かせた、または訂正させた

・相続人が遺言を隠した、または処分した

兄弟姉妹以外の法定相続人であったとしても、相続欠格者となった場合には遺留分は認められません。

なお、相続欠格の場合には、その相続欠格者の代襲相続人は相続をすることもできますし、遺留分も認められることになります(被相続人を殺害したり、遺言を無理やり書かしたりする行為は欠格者自身の固有の問題であり、代襲相続人には何らの落ち度もないから)。

 

③   相続人として廃除された人

相続の廃除とは、相続人が被相続人に虐待行為や重大な侮辱行為をした場合や、推定相続人に著しい非行(重大な犯罪を犯して刑罰を受けた、多額の借金をして被相続人に多大に迷惑や負担をかけた等)があった場合に、その相続人から相続権を奪うことです。

兄弟姉妹以外の法定相続人であったとしても、相続人として廃除された場合には遺留分は認められません。

また、相続欠格の場合と同様に相続人として廃除された人の代襲相続人は、相続をすることもできますし遺留分も認められることになります。

次回のコラムでは、遺留分の放棄についてお話します。

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遺留分とは?

2020.01.24
  • コラム
タグ: 法定相続人, 直系尊属, 相続, 相続・事業継承特化株式会社, 財産, 遺産, 遺留分, 遺言, 遺言書

今回のコラムでは「遺留分とは何か」について、わかりやく説明したいと思います。

国語辞典(三省堂 大辞林)で「遺留分」の意味を調べてみると、「一定の相続人のために、法律上必ず残しておかなければならない遺産の一定部分。これを受ける権利のある者は、被相続人の直系尊属・直系卑属および配偶者であり、兄弟姉妹にはその権利はない」とあります。
つまり、被相続人の残した遺言がどのような内容であれ、被相続人の配偶者、直系卑属(子など)、直系尊属(親など)であれば、遺産の一定部分を相続することができる権利が法律上定められているということです。

例をあげて考えてみましょう。

「すべての財産は愛人にやる」という遺言が書かれていたとします。

被相続人には妻も子供もいます。
いくら遺言とはいえ、この遺言の内容が全て認められるものだとすると、妻や子供はたまったものではないですよね。
そこで法律は、被相続人の意志も尊重しつつも、最低限の遺産が妻や子供には残るように配慮をしたわけです。

では、遺産のどのくらいの部分が遺留分の対象なのでしょうか。
上記の例の妻や子供は、遺産の何割を受けとる権利があるのでしょうか。

遺留分の割合は1/2が原則であると考えておきましょう(但し原則というからには例外があります)。

上記の例でいうと、全財産の1/2は遺留分の対象なので、その1/2の遺産については妻と子供が受取ることができるわけです(従って愛人は1/2しか遺産を手にできません)。
遺留分である1/2の財産を、妻と子供が法定相続分にしたがって取得する権利があります。
被相続人の残した財産が1億円だったとすれば、遺留分は1億☓1/2=5千万。妻は5千万☓1/2(妻の法定相続分)=2500万、子は5千万☓1/2(子の法定相続分)=2500万を取得する権利があります。

遺留分の割合の例外は、親のみが法定相続人である場合です。

遺留分の割合は、「直系尊属のみが法定相続人になる場合には3分の1、それ以外のケースでは2分の1」と定められています。

 

つまり、被相続人には配偶者も子もおらず法定相続人が親だけだった場合には、全財産の1/3が遺留分になります。
被相続人の残した財産が9千万円だったとすれば、親の遺留分は9千万☓1/3=3千万となるわけです。

勘違いしないで欲しいのは、あくまでも3分の1になるのは直系尊属のみが法定相続人になる場合です。被相続人には妻がおり(子はいない)、父親と母親がいるような場合には、法定相続人は妻と直系尊属(父親・母親)となるので(直系尊属のみが法定相続人でないので)、遺留分は2分の1になります。

 

被相続人の残した遺産が9千万だったとすれば、遺留分は9千万☓1/2=4500万となり、この4500万を妻と直系尊属が法定相続分で取得する権利がありますから、妻は4500万☓2/3(妻の法定相続分)=3000万、父親と母親はそれぞれ4500万☓1/3(直系尊属の法定相続分)☓1/2(父親と母親で分割)=750万を取得する権利があります。

次回のコラムでは、遺留分についてもう少し詳しくみていくことにします。

 

 


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生命保険を使った相続税の節税策(解約返戻金相当額が相続税評価額であることの活用)

2019.11.10
  • コラム
タグ: 保険契約, 基礎控除額, 相続・事業継承特化株式会社, 相続税評価額, 税務申告, 解約返戻金相当額, 贈与税, 非課税枠

前回のコラム(2019年11月3日投稿)に引き続き、生命保険を使った相続税の節税策を、今回のコラムでもう一つご紹介します。

まず具体的な例でお話します。

父から長男への相続をここでは考えます。父には1億円の預金があります。この預金を持ったまま父が死亡し、長男が1億円の預金を父から相続
したとすると、1,200万ほどの相続税が発生します *1 。
*1) 父の財産は預金1億のみ、相続人は長男1人と仮定した場合。

この相続税をなんとかして節税できないものか。

1 そこで父は、以下の生命保険に加入します。
契約者:父、被保険者:長男、保険金受取人:父、保険料は契約時に1億円を一括払い、保障は入院給付金日額3万(死亡時は死亡保険金200万)、保険期間は15年、解約返戻金は1年目9,300万・2年目8,700万・3年目8,000万・・・・14年目900万と年数を経るにつれ減っていきますが、15年目の満期時には1億4百万を受け取れます。

2 そして、父がこの生命保険の加入から14年目に死亡しました。
父の死亡に伴い、父が契約者であるこの生命保険契約(財産の名称は「生命保険契約に関する権利」といいます)は、相続財産として長男に相続されます。では、この「生命保険契約に関する権利」の相続税評価額はいくらになるのでしょうか。
この場合の相続税評価額は解約返戻金相当額と規定されているので、14年目の解約返戻金である900万が相続税評価額になります。つまり、長男は父から900万の財産を相続したことになります。このケースでは相続財産3,600万(相続税の基礎控除額)までは課税されませんので、相続税は発生しません。税務申告も不要です。

3 父の死亡から1年後に、当該生命保険契約は満期をむかえるので、長男は1億4百万を保険会社から受け取ります。

どうでしょうか。

上記の生命保険を活用したことにより、相続税を支払うことなく父の1億を長男は引き継ぐことができました *2 。
*2) 但し、1億4百万を保険会社から受け取った年に、長男には175万の一時所得が発生します。

「そんなにうまく14年目に死亡するものか」という声が聞こえてきそうですが、この生命保険契約に関する権利の相続税評価額は解約返戻金相当額であり、解約返戻金は1年目9,300万・2年目8,700万・3年目8,000万と14年目まで年数を経るにつれて減り、相続財産の評価額が1億から圧縮されていくので、たとえ14年目以前の死亡であったとしても節税効果があることには違いありません。
また、15年間の保険期間中に父が死亡しなかったとしても満期時には1億4百万を受け取れるので、1億が目減りするわけでもありません。

 

しかし、考慮しておかないといけないリスクが1つあります。
それは、被保険者である長男の死亡です。
保険期間中に長男が死亡すると、200万の死亡保険金を父が受取って保険契約は終了します。
元々あった1億が200万になってしまいます。

従って長男の死亡というリスクをヘッジするために、契約者:父、被保険者:長男、保険金受取人:父、保険金1億の掛け捨ての定期保険(期間15年)に同時加入しておきます。

こうしておけば、長男が父より先に死亡するという万が一の事態がおこったとしても、父は1億を回収することができます。
このリスクヘッジのために保険料が必要となりますが、相続税の圧縮効果の大きさを考えれば、必要経費としては許容の範囲内に収まることが殆どでしょう。

このコラムでは保険期間15年の生命保険を一例として取り上げ、その効果をわかりやすく見てきましたが、同じような効果を得ることができる保険が、保険期間9年のものや4年のものなど様々あり、どれを利用すれば最も効果があるのかは状況により異なります。
また、異なる節税プランを組んだ方が効果的なこともあります。
このコラムに興味を持たれたとしても、専門家に皆様の状況を説明されたうえで、個々人の状況に適した提案を受けられることをお勧めします。


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生命保険を使った相続税の節税策(生前贈与の非課税枠の有効活用編)

2019.11.03
  • コラム
タグ: 一時所得, 保険金, 生前贈与, 生命保険, 相続・事業継承特化株式会社, 相続財産, 節税効果, 解約返戻金, 資産移転, 贈与税, 非課税枠

前回のコラム(2019年10月20日投稿)では、生前贈与の110万円非課税枠を上手に利用することが相続税の節税に大きく貢献する、というお話をしました。
今回のコラムでは、それを少し応用して、生前贈与110万円非課税枠を生命保険にうまく活用する、というお話をします。

具体的な例をあげてお話した方がわかりやすいので、父から長男への資産移転に生命保険を活用するという例で説明します。
手順は以下の通りです。

  • まず、父から長男に110万を贈与します。110万の非課税枠があるので贈与税は発生しません。
  • 次に、契約者:長男、被保険者:父、保険金受取人:長男、という生命保険(保険期間10年、年間保険料110万、死亡保険金1,200万、10年目の解約返戻金1,120万)に加入します。長男は110万の保険料を支払います。
  • 翌年も、父から長男に110万を贈与し、長男は110万の保険料を支払います。
  • これを毎年繰り返していきます。

父が保険期間中に死亡した場合、長男は死亡保険金の1,200万を受取ります。
この死亡保険金に対する課税は長男の一時所得となります。
仮に保険加入から8年目に父が死亡したとすると、一時所得の金額は(1200万-110万×8年-50万)÷2=135万となり、135万を他の所得と合算して長男は確定申告をすることになります。
ここで注目していただきたいことは、(1)長男は死亡保険金1,200万を受取っていながら課税対象が135万に圧縮されている点、(2)父の相続財産が880万(110万を8年間贈与したため)圧縮されている点、です。
この2つの圧縮効果により大きな節税効果になっています。

また、父が保険期間中に死亡しなかった場合は、長男は解約返戻金1,120万を受取り保険契約を終了させます。
この場合でも、父の相続財産が1,100万(110万を10年贈与したため)圧縮されており、節税効果があったといえます。
上記の例は、毎年の贈与額を贈与税の非課税枠である110万とし、110万の保険料を支払うパターンでしたが、毎年の贈与額を200万、300万、400万と増やしても効果があります。

仮に贈与額を300万として見てみましょう。

1 まず、父から長男に300万を贈与します。
長男は贈与税を19万支払います(課税価格は300万-110万=190万、税額は190万×10%=19万)。
2 次に、契約者:長男、被保険者:父、保険金受取人:長男、という生命保険(保険期間10年、年間保険料300万、死亡保険金3,500万、10年目の解約返戻金3,050万)に加入します。長男は300万の保険料を支払います。
3 翌年も、父から長男に300万を贈与し、長男は300万の保険料を支払います。
4 これを毎年繰り返していきます。
父が保険期間中に死亡した場合、長男は死亡保険金の3,500万を受取ります。
この死亡保険金に対する課税は長男の一時所得となります。

仮に保険加入から8年目に父が死亡したとすると、一時所得の金額は(3500万-300万×8年-50万)÷2=525万となり、525万を他の所得と合算して長男は確定申告をすることになります。
(1)長男は死亡保険金3,500万を受取っていながら課税対象が525万に圧縮されている点、(2)父の相続財産が2,400万(300万を8年間贈与したため)圧縮されている点の2点で節税効果があります。長男は8年間で計152万(19万×8年)の贈与税を支払いましたが、それに余りある効果があったといえます。

また、父が保険期間中に死亡しなかった場合は、長男は解約返戻金3,050万を受取り保険契約を終了させます。この場合でも、父の相続財産が3,000万(300万を10年贈与したため)圧縮されており、大きな節税効果があったといえます。
長男は10年間で計190万(19万×10年)の贈与税を支払いましたが、やはりそれに余りある節税効果です。

生前贈与110万円非課税枠を生命保険にうまく活用するというテーマについて、その効果を説明してきました。

しかし、その実施にあたっては注意すべき点があります。毎年の贈与が連年贈与(上記の例でいうと110万円を10回に分けて1,100万円を贈与することが
贈与の最初の年に贈与者と受贈者の間で合意されていた贈与)とみなされると、一括贈与とみなされて多額の贈与税を支払わなければなりません。

一連の贈与が連年贈与とみなされないようにするために注意を払う必要があります。
その他にもいくつか実施にあたっての注意点があります。
従ってこのスキームを使おうとする場合には、私たちのような専門家にご相談されることをお勧めします。


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生前贈与の110万円非課税枠の有効活用

2019.10.20
  • コラム
タグ: 実効税率, 生前贈与, 相続・事業継承特化株式会社, 税務申告, 課税価格, 贈与税, 非課税枠

あなたが子供に100万円を贈与した場合、贈与税は課されるのでしょうか?

答えは、贈与税は課されませんし、税務申告をすることも不要です。
これは、生前贈与をした場合には、110万円までは贈与税を非課税とする規定があるからです。

贈与税は、一人の人が1月1日から12月31日までの1年間にもらった財産の合計額から基礎控除額の110万円を差し引いた残りの額に対してかかります。
したがって、1年間にもらった財産の合計額が110万円以下なら贈与税はかかりません*1。

*1)贈与税の課税方法には、「暦年課税」と「相続時精算課税」の2つがあり、一定の要件に該当する場合に「相続時精算課税」を選択することができますが、このコラムでは暦年贈与について述べています。

では、あなたが子供に200万円を贈与した場合はどうでしょうか?

答えは、贈与税が課されることとなり、税務申告をする必要があります。
しかし課される贈与税額は思っているほど高額にはなりません。

贈与税の課税価格は、200万円(贈与額)-110万円=90万円であり、贈与税額は90万円☓10%=9万円、実効税率は9万円÷200万円=4.5%です。
同様に、300万円を贈与した場合は贈与税額が19万円で実効税率は6.3%、400万円を贈与した場合は贈与税額が33.5万円で実効税率は8.375%、500万円を贈与した場合は贈与税額が48.5万で実効税率は9.7%であり、500万円ぐらいまでは実効税率が10%以下になります*2。

*2)贈与税の税率は、贈与税の課税価格に応じて10%~55%の幅があります。課税価格が大きいほど税率は高くなるので、贈与額が大きくなればなるほど実効税率は高くなります。 

しかも、この生前贈与の110万円の非課税枠の規定は毎年使うことが可能です。
また、この生前贈与の110万円の非課税枠の規定は、贈与を受けた受贈者ごとに使うことが可能です。

あなたが資産家の方で、相続税の実効税率が10%を超えて20%とか30%とか40%とか高額になる場合には、この生前贈与の110万円の非課税枠を有効に使うことが相続税の節税対策として有効です。

例えばあなたに長男と次男と2人の子供がいたとして、2人に500万円ずつを贈与したとすれば、長男に110万円の非課税規定が使えるように、次男にも110万円の非課税規定を使うことができ、それぞれの納税額は48.5万円(実効税率9.7%)で済みます。
さらに、この2人への500万円の贈与を10年間続けたとすれば、わすか実効税率9.7%で1億円を息子たちに移転したことになります。
あなたが資産家の方であれば相続税の実効税率が30%とか40%とか高額になるケースも多く、その場合にはとても有効な手段になります。

生前贈与の110万円非課税枠の有効活用というテーマについて、本質をご理解いただくために話を単純化して説明してきました。

しかし実際には、皆さんそれぞれに相続税の実効税率が違いますし、資産の内訳も違います。実効税率や資産の内訳が違えば、生前贈与が有効なのかその他の施策が有効なのかも異なります。
また上記の例でいうと、10年間の500万円ずつの贈与が連年贈与(500万円を10回に分けて5,000万円を贈与することが贈与の最初の年に贈与者と受贈者の間で合意されていた贈与)とみなされると、5,000万円の一括贈与とみなされて多額の贈与税を支払わなければなりません。
一連の贈与が連年贈与とみなされないようにするために注意を払う必要もあります。

従って生前贈与の110万円の非課税枠を使おうとする場合は、私たちのような専門家にご相談されることをお勧めします。


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遺言書を書けば全ての財産を意中の人に相続させられるのか?

2019.09.30
  • コラム
タグ: 不動産, 事業承継, 相続, 相続・事業継承特化株式会社, 財産, 遺留分, 遺言, 遺言書, 遺言状

大きなお屋敷の一室で、亡くなった当主の遺言書を今まさに開封しようとしている弁護士の一挙手一投足を、相続人である4人の子どもたちが固唾を飲んで見守っている.。
「次女に全ての財産(現金10億)を相続させる」
という遺言書の内容に、うなだれる長男、次男、長女の3人。

皆さんも映画やドラマで一度は見たことがあるようなシーンではないでしょうか。

では、本当に次女は全財産をすべて相続でき、長男、次男、長女の3人は何も相続できないのでしょうか。
遺言書にそう書いてあるのだから、当然その内容の通りになるものと考えている方も多いのではないかと思います。
しかし答えはNOです。
遺言書にそう書いてあったとしても、長男、次男、長女がその内容に納得せず対抗処置をとれば、次女は全財産を相続できません。
なぜかというと、【遺留分】という考え方が民法に規定されているからです。

【遺留分】とは、一定の範囲の法定相続人(兄弟姉妹以外の法定相続人)に認められる最低限の遺産取得分のことです。
全財産の1/2が遺留分の対象になります(親や祖父母など直系尊属のみが法定相続人の場合は全財産の1/3)。
上記の例で具体的に説明すると、10億の1/2である5億円が遺留分の対象であり、対象の5億円を相続人である子ども4人で法定相続分どおりに分けた1.25億円が各人の遺留分ということになります。
従って、長男、次男、長女はそれぞれ1.25億円の遺留分があるから、一定の手続き(遺留分の請求権の行使)をとれば1.25億円ずつは相続できるということです。
次女は、長男・次男・長女から遺留分の請求権の行使があれば、遺産として取得した10億円の中から、各人に1.25億円を支払わなければなりません。

遺留分のことについて敢えて簡易に説明しましたが、遺留分の額の計算や対象者には注意すべき点や詳細検討事項があります。

上記の例のように遺産が現金や預金などの場合には、遺留分の請求権の行使者に対して支払える金銭があるからまだいいのですが、遺産の内容が、父親が経営していた会社の株式(非上場株式)で、次女が会社を引き継ぐために株式の100%(株式の相続税評価額10億円)を相続しなければならない場合はどうでしょうか。
長男、次男、長女から遺留分の請求権の行使を受けた次女は、手元に3.75億円(1.25億円×3)の現金が用意できないため、支払ができず非常に困ってしまいます。
従って、後継者の株式をスムーズにバトンタッチしたいと考えている経営者の方は、後継者が遺留分を他の相続人に支払うことができるように、生命保険等を利用するなど、事前の対策をしておくことが欠かせません。

相続や事業承継、遺留分のことに関してお悩みがある方はぜひご相談ください。
遺留分のことについて敢えて簡易に説明しましたが、遺留分の額の計算や対象者には注意すべき点や詳細検討事項があります。


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事業承継に何も手を打たない社長、行く末はどうなることやら?

2019.08.01
  • コラム
タグ: 事業承継, 企業経営, 会社, 会社の存続の危機, 会社経営, 株, 株式, 相続, 相続・事業継承特化株式会社, 相続財産, 相談, 社長, 経営, 経営者, 親族間での紛争, 資産

お付き合いのある社長さんから、「息子にうまく会社をバトンタッチする方法はないのかなあ」と数年前にご相談を受けました。
相談と言っても、お酒を飲みながら色んなお話をしている中での話題の一つだったので、ちょっとした心配事を社長は仰ったのだと思います。
社長(65歳を超えています)には2人の息子さんがいます。
1人は離婚した前の奥様との間にできた子供で既に成人して結婚もしています。
もう1人は今の奥様との間にできた子供でまだ中学生です。
この中学生の子供さんにゆくゆくは会社を継がせたいのだが、成人するまででも10年近くもあるし、社会経験をつみ社長の任務を果たせるとなると20年以上先のことになるので、社長自身の年齢や健康のことを考えるとどうしたものか、というお話でした。

社長は営業一辺倒でたたきあげてきた方で、事業承継や相続についての知識は一切もってらっしゃらないので、「素面のときに改めてお伺いします。じっくりとご相談になります。」とお答えし、社長も「ぜひよろしく」とのことでした。
私は「相談してくれて本当に良かった」と思いました。
なぜなら現状のままではリスクが多すぎると以前から心配していたからです。
社長は持病をお持ちでしたので万が一のことも考えられます。
また、認知症になったときのことも社長の年齢からすると考えておかないといけません。

何も手を打たなければ、

1. 息子2人で社長の財産をめぐって争いがおきる可能性がある(両方の息子さんに母親がついているので余計にややこしい)。

2. 前妻の息子さんが会社を継ぎたいと思えば、現妻の息子さんが会社を継ぐという社長の意志がかなわない可能性がある。

3. 会社の株のすべてを現妻の息子に譲るという遺言を書いても、前妻の息子が遺留分の請求をすれば、支払うべき現金の手当ができていない。


4.現妻の息子が社長をつぐということが兄弟間でまとまったとしても、息子が成長して社長としての職責を果たせるようになるまで、誰が会社の舵取りを行うのか決まっていない。舵取りに失敗すれば会社が存続しないかもしれない。

というような問題が手つかずのまま残り、現妻の息子さんが会社を継ぐという社長の想いの実現がおろか、親族間での紛争、それを起因とした会社の存続の危機、に見舞われるリスクが多分にあります。

その後、社長からご連絡がなかったので、私の方からアポイントを取ろうとしたのですが、「今から自分の死んだことを考えるのは縁起が悪い」「まあ何とかなるでしょう」と仰るので、そのままの状態で今に至っています。

何も手を打たないのに何とかなる、はありません。そればかりか自分が残した財産が基で親族が揉める可能性だってあります。
元気なうちに、事業承継をどうするのか、財産をどのように分けるのか、きちっと考えて道筋をつけておくのが、先に旅立つものの責務だと思うのですが・・・
さて、この社長の会社の事業承継、この先どうなることやら。今のところ遠くから心配しているより他ありません。


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収益不動産を活用した相続税の節税

2019.07.17
  • コラム
タグ: 不動産, 収益, 収益用不動産, 相続, 相続・事業継承特化株式会社, 相続税, 相続税評価額, 相続財産, 節税, 節税策, 財産評価基本通達, 資産, 資産の組み替え

相続税の節税策の一つに、【資産の組み替え】という考え方があります。
現金や預金は「市場の価値」と「相続税評価額」とが一致しますが、土地や建物などは「市場の価値」と「相続税評価額」とが一致しないことが一般的です。相続税評価額とは、相続税の税額を計算するときの相続財産の評価額のことです。

つまり、預金1億円は市場での価値も1億円だし、相続税を計算するときにも1億円の財産があるとカウントされるのですが、市場での取引価格(市場での価値)が1億円の土地は、相続税の計算をするときには1億円の財産があると必ずしもカウントされるわけではなく、2千万円とか1千万円でカウントされる場合もあるということです。

これは、現金や預金という資産を土地や建物という資産に組み替えると、相続税評価額が減少するということを意味します。相続税評価額が減少すれば相続税も減少しますから、資産の組み替えにより、結果的に相続税の節税が実現したことになります。

一つ例を紹介しましょう。
賃貸用のオフィスビルが、1棟まるまるではなく1フロア単位で分譲されて売りに出ている場合があります。1等地にあるアクセスに申し分のないオフィスビルであっても、1フロアが20~30坪程度の小型のビルであれば1~3億円程度で取得することが可能です。
取得することにより賃貸収入を得ながら、相続税の節税にもつながります。
例えば、2億円で購入した20坪の分譲オフィスの相続税評価額が4千万だったとすれば、数百万円単位の賃貸料収入を毎年得ながら、1.億6千万円の相続財産の圧縮が実現します。

ここまで例を交えながら、【資産の組み替え】という節税の考え方についてお話してきましたが、ご理解いただけましたでしょうか。

【資産の組み替え】を活用した相続税の節税や収益用不動産の活用にご興味のある方はお問い合わせください。
ご希望やご要望をしっかりとお伺いさせていただき、ニーズに即したご提案をさせていただきます。


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